沖縄への航海4、沖縄へ到着する

  1. 第1レグ大阪から種子島へ
  2. 第2レグ種子島から奄美大島へ
  3. 第3レグ奄美大島から沖縄へ
  4. 沖縄へ到着する
  5. 糸満を訪問する

5月4日1700時、奄美大島南西端の曽津高埼を通過する。夕闇とともに、奄美大島が見えなくなった。徳之島、与名間埼灯台の灯光を確認する。沖永良部島、田皆岬灯台も見えてくる。もうすぐ与論島だ。与論島を越えると、いよいよ沖縄だ。

しかし甘くはなかった。夜中から、北東風が急速に強まる。風速計は23mを指す。沖縄本島付近の低気圧が、予想以上に発達したのに違いない。
雨と突風の中、いきなりメインを2ポイントする。1ポイントリーフでは、エリアが大きすぎて間に合わない。2ポイントリーフしてたメインだけで、5ノット以上でセーリングする。ランニングなので、波に乗ると8ノット以上になる。波高は5mを越えている。
こうなれば、嵐と戦う以外にない。お湯を沸かして、暖かいコーンスープを作る。クルーは、ワッチの2時間の間に、ずぶ濡れになる。どうしたことか、青木は腰痛がでてコクピットに座れなくなる。これは年のせいではないと本人は言うが、やむなくバースに寝転んだまま安静にする。肝心なときに、クルー二人にワッチを任せることになってしまった。キャビンの中で、ナビゲーションを担当する。

0800時には、伊平屋島まで10Mとなるが、伊平屋島も沖縄本島の島影も、雨で視界が制限されて全く見えない。
目的地の宜野湾へは、本島の備瀬埼と、伊江島との間の伊江水道を抜けていく。この伊江水道には、両側から珊瑚礁のリーフが張り出しているので、中央を通らないと、とても危険だ。伊江島側の東方位標識を見つけ、水道の中央を目指すのだ。この標識を見誤って、伊江島側のリーフに座礁したヨットは、数多い。
今回は強風を後から受けているので、リーフに接近しても、後戻りが出来ないので、さらに危険性が高まる。

伊江島のランドマークであるピラミッド型をした城山が、雲の切れ目から見えた。しばらくして、東方位標識も視認する。これで安心だ。

伊江水道を越えると、うねりは消えて内海のような穏やかな海面だ。先ほどまでの外海と比べると、まるで天国だ。

5月5日、夕刻には浦添にある沖縄電力発電所の煙突が見えてきた。宜野湾マリーナへの目標だ。
宜野湾マリーナへは、計画よりは2日早く入港する。缶ビールと缶詰を開け、3人でささやかに無事到着を祝う。

朝になってゲストバースへ移動する。桟橋の上で、お互いに顔を見合わせて驚く。「なるふ」の内田さんではないか。内田さんは青木ヨットスクールの卒業生だ。当社から購入いただいたヨットで、千葉から一人で航海してきたという。宜野湾には1日前に到着したとのことだ。

 

 

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