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2024年ゴールデンウイーク長距離航海コース開催 BBCコース
BBCは夜間航海のコース、明石海峡と鳴門海峡を通過するコースに6名の受講生が集まり、インストラクター資格を持つ青木ヨットのスタッフがアパレンティスとして同乗参加しました。
1日目
事前の天気予報では今回のBBCコースは全日程とも雨模様、予報通りの雨が降る須磨ヨットハーバーの桟橋に係留した艇内で予習課題の航海計画を順番に発表していただき計画コースを検討、転流後の明石海峡を通過するまでオールハンズオンデッキとし、その後は2時間交代のワッチ体制で艇を進めることとして20時に出港。雨と霧で視界が効かないことを考慮し1~2マイルおきに航路ブイ等が視認できるようなコース取りで計画コースを設定しましたが、視界は極めて悪く明石海峡大橋をくぐる時はいくぶん視界が良くなったものの、鹿の背の海苔網を避けて進むための重要な変針目標の南方位標識が視認できない、最大5ノット超えになる潮流に流されていたようで、変針目標のブイの南西約1.5マイルにある別のブイの赤い灯火を右舷前方に確認、そのまま進むと広大なのり網エリアに突っ込んでしまう危険なコースに向いていることが判明、ブイの南側の浅瀬を避けるようにブイの北側に回り込んで針路修正、播磨灘北航路のブイに沿って進みます。目印になる灯火を探しながら進み、のり網エリアの西側にある西方位浮標の南西まで来たところで夜間落水者救助法の練習、風が弱いため機走での落水者救助練習となりました。
2日目
鳴門海峡の潮流が最大になるタイミングを避けるためスローダウンして時間調整、転流の約2時間前頃、まだ6ノット程度の流れがある頃、遠くから橋の下の海面の様子がうかがえるあたりまで接近するも、明らかに海面の段差のようなものが見え、通過していく大型船が大きな波しぶきを上げているのが分かる状況、1時間ほど接近して様子を見ては一旦離れてを3回ほど繰り返し、遠くから明らかな海面の段差が見られなくなり始めたタイミングでアプローチ、転流の45分前頃に鳴門海峡大橋をくぐりました。瀬戸内海側は鏡のようだった海面が海峡通過後の紀伊水道側は不規則な大きな波とうねりに見舞われる状況でした。その後徳島沖を目指して南下、徳島けんちょピアのある新町川を約3マイル遡って海の駅に着き係留。ホテルのチェックインは15時からですが、アーリーチェックインできるようフロントで交渉し、昼前にチェックイン、午後から予習問題の解説や翌日の航海計画の検討など座学を済ませて終了。
3日目
徳島からホームポートの田尻港まで帰港するコース、転流の頃に友ヶ島水道の由良瀬戸を通過する予定です。5時20分に離岸、約3マイル河口に向かい川を下る途中、川幅が広くなったあたりでメインセールを上げ進みます、河口の防波堤を抜け航路の赤緑のブイの間を通り北東に向け出港、レギュラージブ+1ポイントリーフしたメインセールでセーリング、風向きは北寄りで予定コースに船首を向けるとジブは裏風が入り推進力にならない、風が少し弱まってGPSで対地速力が4ノットを切り、予定より30分以上遅れだしたタイミングでエンジン併用の判断、ジブダウンし機帆走で5ノット以上を保つよう艇を進めました。途中友ヶ島水道にアプローチするタイミングで由良瀬戸を通るか加太瀬戸を通るか再検討しましたが、距離短縮をもくろみ加太瀬戸通過を選択したとしても15分程度の時間短縮にしかならない見込みのため、狭い加太瀬戸は避けて幅の広い由良瀬戸側を通過しました。14時に淡輪沖を通過して残り約6マイル、ほぼ予定時刻頃にホームポート田尻マリーナに帰港することができました。
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大変お世話になりました。雨続きの生憎の天気でしたが先生方のご指導で安全にレッスンを受けられました。 ありがとうございました。
浦野さん、BBCコースへのご参加、コメント書き込みありがとうございます。
今回のBBCコースを振り返ってみると最も重要なポイントは明石海峡抜けたあとのコース取りだと思います。航海計画の変針目標とDRに沿って艇を進めて行きましたが、明石海峡第一号
灯浮標からの計画コースMC267に向かっている時に、事前に海図W150Bの同海域の潮流の情報を知っていればCONで学んだカレントセーリングの知識を生かして南に流される影響を打ち消すように計画より右にコンパスコースを取り、のり網海域に突っ込みかねないコースに進んでしまっていたことを防ぎ、当初の変針目標の南方位標識を視認できていたのではないかと思います。
事前の航海計画時の情報収集とその情報の活かし方を知っているのといないのでは、今回のような視界不良の条件下で艇を安全に進めるのに格段の違いがあることを学ぶことができたのではないかと思います。