5/2~5/5 ACC長距離航海コース無事帰港
ACCコースでは、いかなる天候下でも航海が可能な技術を身に着けることが、ASA(アメリカセーリング協会)のコース基準となっている。夜間航海、外洋航海を含む長時間のコースを走る、体力と知力と気力の限界に挑むトレーニングである。
今回は定員の6名のうち2名が急用とコロナ罹患によって、急遽不参加となった。難関コースに挑む勇者は4名である。インストラクターは青木校長とアパレンティス・インストラクターの青木いたるが担当し、2チームでワッチを構成した。
第1レグ・大阪たじりマリーナから和歌山県阿尾港
1900時に教室へ集合して、各自が立案した航海計画を全員でチャートを見ながら検討する。2023年1月に発生した自衛艦いなづまの座礁事故の原因は、出航前に行うと決められていたチャート上でのコース評価が省略されたことが原因とされている。GPSに頼るだけでは不十分であることは明白だ。
大阪湾から紀伊水道へ抜けるには、友が島水道と加太ノ瀬戸の2か所を選ぶことができる。友が島水道は本線航路であり航路標識が充実しているので、夜間でも位置決定が容易だ。しかし潮汐表によれば、ちょうど通過予定時刻には逆潮となる。検討の結果、狭くてナビゲーションが難しいが、潮流が弱い加太の瀬戸の通過を決定した。通過時はワッチメンバーだけではなく、オールハンズで操船に当たることにする。
第1レグの航海計画がこれで定まったので、教習艇のEAGLE2へ移動する。夜間航海が始まる前に、ランニングリギンの操作をおぼえなければならない。そこで全員でリーフ作業の反復練習を行う。
2230時、さあ、阿尾港へ向けて出航だ。
1030時、阿尾港へ入港する。係留場所を選ぶために港内を一周する。アンカリングができないヨット乗りでは恥ずかしい。全員交代で何度もやり直してアンカリングの練習を行う。
迎えの車に乗せてもらい、宿泊先の橋本荘へ移動する。すぐにお風呂へはいり、夕食までの時間は予習問題を全員で勉強する。
第2レグ・和歌山県阿尾港から徳島県伊島港
伊島港へは直線コースであるが、紀伊水道を南流する下げ潮流の影響を受けるので、カレントセーリング(流潮航法)を練習する絶好の機会だ。風はNE20ノットの予報である。
第3レグ・伊島港から田尻マリーナ
今日の海上気象予報では南風30ノットと発表されている。
驀直去 まくじきこ
目標を立て、そこに向かう。様々な情報と条件、予報や経験則、加えてルールや知識。多様な視座から最短、最速のルートを模索する。
立案の楽しさ、それを実行したからこそ得ることのできる自らの五感を通した感覚。
たった数日のセーリングがこんなにも心に残るものだなんて知りませんでした。
一方で、真っ直ぐに行こうとしても計画とはずれてしまいますし、予期せぬ事態にも遭遇します。しかし、これがまた豊かな時間となったりします。不思議なものです♪
確かな理論と豊かな経験に基づいたACCは最高です! 私の人生は間違いなく以前より豊かになりました!
ありがとうございました