フィリピン・セブ通信② 42ftロングキール艇 復活中
昨年12月1日にフィリピン・カルメンにドック入りした42ftロングキール艇、約4ヶ月を経て修理は順調に進んでいます(進捗率50%を少し超えたくらい)。2009年に初めて対面したこの艇ですが、その後帆走する機会は年に数えるほど、最後の6年ほどは海上繋留するのみで、この艇に一体何がどのように装備されているのかさえ知らなかったのですが、今回のドック入りで全て把握できました。さすがに英国で船籍登録をしてフィリピンまで航海してきた船だけあって、それはそれはOPM、外洋航海を余裕でこなせるほどの装備がありました。
3月末で一旦修理を中断して帰国の予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で暫く当地に滞在を余儀なくされました。時間ができましたので久々の近況報告です。(みち@フィリピン・セブ・カルメン)
メイン、ジブセール修理。セブ空港近くにイギリスのハイドセールのロフトがありました。相当痛んでいたセールも蘇りました。
汚れたステイスル。この他にストームジブもありました。とりあえず海で洗って干してます。
マスト。メインセールはマストファーラー仕様。全てチェックして磨きました。マストトップまでのステップ(50cmピッチ、18個)新設予定。レーダーは残念ながらご臨終で新規買い替え予定。
ジブファーラーとメインファーラーシステム。ハリヤードやコントロールロープを全て外し、長年の汚れを除去。
7つあるハーケンのセルフテーリングウインチ。全部分解してグリス汚れを軽油で洗って再組み立て。
無線機。ICOMの中短波とSBEのVHFマリンラジオ。蘇るかどうかはこれから確認。中短波無線機は結構高いので蘇って欲しい。
フットポンプを分解してみた。シンプルな作りながらも耐久性は高そう。長期外洋航海では電動より手動、分解して修理できる準備をしておきたい。
回収したフェアリーダー、バッドアイ、ウインチ、イーバーブほか。綺麗に掃除。多分全部は使わない。艤装はSimple is the Best か。
カタディン(昔のPUR)製造水機。逆浸透膜(リパースオスモシス)により真水を1日に30ガロン(約100L)作れます。清水はこの他に船底に約500Lのタンクがあります。一人だと250日分の清水です。
錆び付いたプロパンストーブ。再生できるそうです。ここにはステンレス、アルミ全ての溶接ができるプロの溶接屋がいます。新しく買うと結構します。
オーバーホールが完了したヤンマー4JH2Eエンジン。元気に再起動。こんな土間のガレージワークショップでエンジンが見事に再生。
冷蔵庫と電子レンジを新たに搭載することに。230Vインパータと1000Wのソーラー発電システムを勉強中。
フォアキャビン、ハニコム樹脂で再構築。軽いので木材に比べて全体で数100kg軽く仕上がりそう。艇速が伸びれば嬉しい。
リアキャビン、同じくハニコム樹脂。もう白蟻は怖くない。
空になった艇体を内側から実測してGAプランを起こした、少し正確さに欠ける。
実測GAプラン、新設アッパーキャビン。シングルハンドでも荒天時はここに籠り乗り切りたい。
レース艇を支えるのは最新の装備とコンピューターかも知れませんが、クルーズ艇を支えるのは知恵と工夫ですね! あと、オーナーの根性ですか?(笑)
みちさん、カムバ~~~クッ! (あ)
古いクルーズ艇ですが出来る限り最新の装備を積みたいと思っています。ただし、それらが機能しなくなっても一人で帰ってこれるシーマンシップは身に付けておきたいですね。GPSから六分儀です。知恵と工夫と思い入れ(根性とも言う)ですよね。GWまでには帰りたい!!(みち)
あ、前述は「艇の装備」ではなく、「メンテナンスの装備」のことです。(汗)
中東にいた時に路肩の作業場(?)でエンジンを分解しているの見て、それを思い出したものですから。 (あ)